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AIによる記事自動作成ツールに出来ないこと

記事作成代行はお任せください!

AIの技術が日々発達してきていて、ニュースなどで「将来無くなる職業」「人の仕事がAIに奪われる」といった衝撃的な見出しの記事を見かける機会も少なくありません。

私たちライターの世界も例外ではなく、AIによる記事自動作成ツールの開発が進められていて、すでに実用化されているサービスもあります。果たして今後ライターという仕事は機械に取って代わられて無くなってしまうのでしょうか?

今回の記事では、記事作成とAIについて考察していきたいと思います。

記事作成ツールでできること

与えられたキーワードに対してデータベースやWeb上の情報を収集し、それをつなげて文章を作るというのが記事作成ツールの仕組みです。たとえば、ある飲食店の紹介記事を作ると仮定しましょう。店名をキーワードとして指定すると、Web上にあるそのお店のホームページや予約サイト、まとめサイトなどの情報を引っ張ってきて、住所や営業時間、ジャンルやメニューなどの内容が盛り込まれた文章をツールが自動で作ってくれます。

ぱっと見ただけでは人間が書いたのか機械が書いたのかがわからないほど、クオリティの高い記事を作成してくれるツールもあります。

事実ベースの客観的な情報を説明するための記事や、それほどクオリティが求められないような記事であれば、近い将来ライターから記事作成ツールに置き換えられることも想定されます。

記事作成ツールは新しい言葉への対応が難しい

 しかし、記事作成ツールにも弱点があります。データベースやWeb上の情報をつなげる方式だと、新しい言葉や言い回しへの対応は現時点では難しいかもしれません。

言葉は生き物であり、常に変化していくものです。流行語大賞を見ていればそれがよくわかります。2020年は新型コロナに関連して「3密」という言葉が大賞に選ばれました。一方、5年前の2015年の大賞は「爆買い」です。これは訪日外国人が日本国内で大量の買い物をする現象を表した言葉で、当時のニュースなどでもよく見聞きしました。

5年前には「3密」という言葉は存在すらしませんでした。逆にコロナ禍で海外から人が入って来られないという状況下では、「爆買い」のニュースはすっかり影を潜めました。さらに将来、新型コロナが収束したら、「3密」という言葉も使われなくなるでしょう。

このように、言葉はその時々の社会情勢やトレンドなどで常に生まれ変わっていきます。新しいものに対応する力は、やはり機械よりも人間のほうが秀でているでしょう。

 

“感覚”を伝え、“感情”を動かす文章は人間しか作れない

 機械ができなくて人間ができること。それは“感じる”ということです。感覚を伝える文章や感情を動かす文章は人間にしか作れません。

グルメ雑誌やグルメサイトの記事を例に挙げてみましょう。前述のとおり、飲食店の住所や営業時間、メニューといった基本情報が書かれた記事はツールでも作れるかもしれませんが、人がお店を選ぶ要素はそれだけではありません。店構えや内装の雰囲気、店内の空気感、店主やスタッフの接客態度や人柄・想い・こだわり、料理が出てくるタイミング、盛りつけの美しさ、味つけ、食感、利用シーン(お一人様、ファミリー、デート、宴会など)といった“感じる”ことで得られる情報は、現地に行き、体験したり見聞きしたりしなければわからないものです。そしてグルメ雑誌やグルメサイトの読者は、そういった情報こそが知りたいと思って記事を読みます。

わざわざライターが現地に赴いて取材をするのは、感覚を頼りに得られる情報を収集して、「行ってみたい」「食べてみたい」という感情を動かす記事が書けるからに他なりません。

グルメリポーターの彦摩呂さんは、料理を食べた感想を「〇〇の宝石箱や!」「〇〇革命や!」といった独特の言葉で言い表し、テレビの視聴者の感情を動かします。こうした発想や表現は彦摩呂さんだからこそできることであって、機械には置き換えられないでしょう。

まとめ

冒頭でもお伝えしたように、AIによる文章作成技術は日々進化しています。確かに、将来記事作成という仕事の大部分はライターから記事作成ツールに置き換わるかもしれません。しかし、新しい言葉に対応する、人間にしかわからない感覚的な情報を集めて感情を動かす表現をするといった部分は、やはり生身の人間だからこそできることです。遠い将来はそれすらもAIがこなせる時代が来るかもしれませんが、当面の間は私たちライターが担い続けるしかないと考えられます。

時流に沿って新しい言葉や表現方法を取り入れる、機械では集められない感覚情報を収集して感情を動かす文章を書く。これができるライターは当分仕事を失うことはなく、むしろ付加価値が上がっていくと考えられます。

「機械に仕事を奪われるかもしれない」と過度に悲観するよりは、人間だからこそできることを追求し、独自の視点や表現方法を大切にして、ライターという仕事、文章を書くということに向き合ってみましょう。

編集部

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