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経営者インタビューの方法とは?(記事作成編)

前回の「経営者インタビューの方法とは?①」に続き、記事作成を行うにあたって気をつけるべきことについてお伝えしていきます。

経営者取材の場合には、話を聞くための時間が限られ原稿素材が少なくなりやすい、企業トップの目線で話す内容と媒体の想定読者が読みやすい内容とでギャップが生じやすい等、独特な問題が発生してくることがあります。

今回はこうした状況を回避するための方法を、これから経営者インタビュー・執筆を経験していくライターに向けてお伝えしていきます。

経営者インタビューを成功させるための事前準備

構成案をしっかり組み立てる

 まずは取材の文字起こしをもとに、記事の構成案を組み立てます。

実際に取材を行ってみると、取材前の構成案とは書ける内容がずれてくることが多いものです。改めて取材内容を確認しながら構成案をブラッシュアップし、全体的に矛盾がないか確かめます。

取材前から大きな変更が出た場合には、この時点で担当編集者へ確認をとりましょう。

1000文字程度の短い文章であれば、慣れてくるとメモだけでも原稿化はできるようになりますが、表現に関しての「言った、言わない」のすれ違いを避けるためにも、しっかり文字起こしをすることをおすすめします。

構成案に沿った素材が揃っているかを確認する

取材の文字起こし、先方からの提出資料、経営者の著書など、原稿を作成するための資料が揃っているか確認をします。

経営者インタビューは用意される時間が短いことも多いため、収穫高があまりにも少ない場合には、周辺取材として経営者を支える秘書、直属の部下の方などに補足の取材をお願いするケースもあります。

余裕をもった執筆スケジュールを立てる

原稿を書きはじめる前に、納品までのスケジュールを立てましょう。予想外のアクシデントに備えて、ギリギリの予定ではなく何度か推敲を重ねても1日は提出前の原稿を寝かせておけるペースが望ましいでしょう。

インタビューイメージ

原稿の執筆にあたって

原稿は、取材内容をそのまま書き起こさない

WEBに載っている記事は一問一答形式で書かれていますが、取材の場で聞いた質問と回答をそのまま書き起こしたものではありません。そこに書かれているのは、何度か質問を重ね、得られたそれぞれの回答を、経営者が話すにふさわしい内容としてまとめ直したものです。喋り言葉をそのまま活字にするとラフに見えすぎてしまうことにも注意して、記事のテーマに沿った単語に置き換えていきます。

固有名詞、年月、データなどはファクトチェックを忘れずに

取材中に出てきた創業年や販売数などの数字、固有名詞に関しては必ず「内容は本当に合っているか?」と事実の確認を行います。これらは本人が言っているからといって、絶対に合っているとは限りません。企業のHPや資料で確認する、信頼のおける発表元からのデータを参照するなど裏取りを忘れないようにしてください。どうしても根拠が見つからない場合には、その旨を担当編集者に引き継ぎます。

経営者インタビューで困った!こんな時には?

質問への回答が専門的すぎて、媒体の内容に合わない

取材音源を改めて聞き直した段階で、経営者からの回答が媒体の求めるレベルに比べて高度すぎることに気づいた場合には、ライター側で表現の置き換えを試みてみましょう。

難易度の高い表現をかみ砕いて書き直し、原稿のチェック時に「取材をもとに媒体のトーンに合わせ、読者に伝わりやすい表現をしています」と一言添えて先方に確認をしてもらいます。

本来は取材の時点で分かりやすい表現に切り替えてもらうべきですが、取材に慣れていない場合などはいつも使っている専門用語を駆使して、話をどんどん進めてしまうケースも見られます。その都度の声かけが難しい時には、原稿上で調整していきましょう。

まとめ

原稿を作成する際には、想定読者はどんな人であるのか、記事を読んだゴールはどこにあるのかを軸にそこからずれないよう執筆を行っていきます。

取材相手の話している内容と、記事テーマや想定読者像が微妙にずれてしまうことはよくあるケースです。原稿を書いていて違和感がある時には、無理に進めずに落とし所を担当編集者に相談しましょう。

書いているライター本人が内容に納得できているかどうかは、読者にも伝わりますし、記事の完成度にも関わってくるからです。

編集部

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